おかえりなさい

｢…………そうですか。寧ろ、いつまで居るつもりなんだと思ってくれた方が楽です｣

｢ん？そんなことを気にしていたのか？別に気にしなくても良いのに｣

｢えっ？気にしないんですか？路頭に迷っていた理由とか聞かないんですか？身の上話とかは？｣

｢話したいなら話してくれても構わないが、俺からは聞かないぞ？興味ないからな｣

｢でも！｣

｢大事なのは、お前が今、元気にここにいることだろ？そう考えたらさ、お前の好きに生活させるのが一番だ｣

｢……そう、ですか。貴方は良い人ですね｣

｢やっと気付いてくれたか。俺は嬉しいぞ。ふむ、お前も良い子だな｣

｢なっ！？突然何を言い出すんですか！？｣

｢ん？事実を言っているだけだが？｣

｢そ、そうですか……｣

｢というわけで、だ。これからもよろしくな｣

｢しょうがないですね……。これからもよろしくされてあげますよ｣

｢ったく、お前は素直じゃないんだから｣

｢…………｣

｢…………｣

｢……ふふっ｣

｢……ははっ｣