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「できるかなぁー…」
独り言のように吐いたのは、弱音。
これからのことを不安に思っているなんて素直に言えない。
自分の弱さを認めることが癪なのは、理想的な自分を追い求める癖がまだ抜け切っていない証拠。
それでも遼は、隠した思いを見つけ出して、優しく掬い取ってくれる。
「少しずつやめていけばいい。花純のペースでいいんだよ。」
『本当の私』が帰ってくるのを、見捨てずに待っていてくれた幼馴染み。
ずっと気づかなかったけど、なんだ、私にも温かい居場所があったんじゃん。
「…ありがと、ね。」
「ん、素直でよろしい。」
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