茹だる暑さの中で

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 気がつくと俺は聡美と違う店で二人で飲んでいた。 「あれ? 中島は?」 「潰れて帰りましたよ、タクシーに乗って」 「あっそ」 「全然、覚えてないんですか?」 「う?ん、ところどころ……」 「よくそんなに泥酔して飲み屋にいますよね、相変わらず変わってる」 「申し訳ない」 「珍しいですね、大原さんが謝るの」 「いやあ、恐らくだが、君は僕とこうして再会することは縁より運命づけられていたのだよ」 「あれ? 同じような事さっき言ったの覚えてます?」  へっ? 何か言ったっけ? 「君の過去も人生も、全て受け止めるって言ってたの」  おお、何て素敵な事をシャアシャアと言えるんだ俺は素晴らしい。 「実は、私も中島くんと付き合う前、大原さんっていいなと思ってたんですよ、でも大原さんには奥さんもいたし、諦めたんですよ」  え! そうだったの? それが分かっていたら俺は最大限の善処をしたのだが、おしかった。 「だから付いて来たんですよ」  そんな深い意味があるなど知らなかったぜ、そうかそうか。ってオジさん、もう眠くなってきたんだけど……。
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