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なぜあんな残酷なことができたのか? と聞かれても、僕はその問いに対する明確な答えを持ち合わせていない。
殺せ、と命じられたからやった。ただそれだけのことだった。
般若の面をつけ、日本刀で人を斬り殺すことは僕にとって日常の一部であり、ただの事務的な作業でしかなかった。気づいたときには、いつも真っ赤に染まった日本刀を片手に、血の海の中にたたずんでいた。
カーテンを透して射し込んでくる青白い月の光が、床の至る所に転がっている惨殺死体を闇に浮かび上がらせている。
僕は鬼女の能面の下で、それをとても静かな気持ちで眺めていた。そこには罪の意識はまるでなかった。恨みも憎しみもなかった。
ただただ、沈み込むような虚無感だけがあった。
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