第7章

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  「で、具体的には、何を知りたいんだ? 劉山会の」  キャメルに火をつけて、室田が続ける。 「最近のしのぎの内訳か? 組員のムショの出入りか? 笠松への上納金関係か?」   「『なに』って、そうだな……まあ、全般的にだ、例えば『お家騒動』とか」    お家騒動だって? と眼を瞠って、室田が煙を吐き出した。 「なんだって、そんなこと? 大体、アソコの会長、そんな年齢(トシ)じゃないだろうが? まだまだ、ギンギンの男盛りもさかりだろ? 殺したって死にそうにない」  あ、悪りぃ、オレ今、言い方、なんかスケベったらしかったな? と。  何を思ったか律儀に詫びて、室田が苦笑する。  澁澤は、煙を吐きながら、ゆったりと首を横に振って見せた。  ふたりの男は、差し向かいで、しばし黙って煙を吐き出し続ける。   「シブサワよぉ……」と、その沈黙を破ったのは、室田の声だった。   「『あの件』、お前、やっぱり、まだ気にしてんのか」  澁澤は答えない。  室田が続ける。   「なあ、あれは、「良い発砲(グッド・ショット)」てヤツだったんだ。そう判定もついてるだろ」 「『良い発砲』?」  澁澤が、ごく短く鼻で嗤った。
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