第2章

9/12
前へ
/935ページ
次へ
 ああ、そうだった、このオッサン。ホント、めちゃめちゃ厚かましい男だったっけ。  そうさ、この前も僕の部屋で、勝手気ままにタバコなんか吸いやがって……。  床の上に、いっぱい灰を散らばしてさ。    心の内で舌打ちをしながら、僕は澁澤のベルトの端を掴む。  うん……まあ、そうだな。  たしかに、今は僕も「まんざら」でもない。  オッサンのねちっこい愛撫で、一晩中でも、達しまくりたい気分になっている。    そして力いっぱいベルトを引きバックルのピンを外すと、僕は、澁澤のスラックスのファスナーを、一気に下ろした。  *  ヤバい、ヤバい……と。  焦る声は、もう音にならなくて、僕はただ、喘いで、のたうって、いやらしく腰をうねらせて、内側を痙攣させ続ける。  このオッサン、何歳だか、知らないけど。  ホント……セックス、強すぎだろ?  最初のうちは、「もういいかげん、僕にも挿れさせろよな、オッサン」と、どやしつけてやろうと思ってたけど、なんか今晩は、それどころじゃない。  本当に、僕は。  全然、それどころじゃなくなってしまってた。
/935ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2743人が本棚に入れています
本棚に追加