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何とかハルの腕を解いて、急いでシャワーを浴び、仕事へ行く準備をする。
こっちのマンションにも服を置いてあるため、一旦、家に帰らずに済む。
「ハル、急がなくていいの?」
呑気にソファでコーヒーを飲みながら、朝のニュースに目を通している。
「今日、仕事は午後から」
「珍しいね」
バタバタと軽くご飯を食べて、時間を確認すると、すでに八時を回っていた。
「ごめん、ハル!私行くねっ」
次はいつ会えるかわからないけど、名残り惜しそうに別れてる暇は、今はない。
玄関まで見送ってくれたハルに、「じゃあね」と言って、ドアを開けようとするその手を、ハルの大きな手で包まれる。
「ハル?」
「……しい、俺はお前がいるから、頑張れるんだよ」
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