奏×リカ

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俺が初めてリカと会ったのは、高校一年の秋。 父親が再婚することになり、顔合わせのためのレストランだった。 「初めまして。三崎リカです」 「………須田 奏、です」 俺より三つ年上のリカは、高校生の俺からしたら、とても大人の女に見えた。 女に免疫がなかったわけじゃないのに、何故か真っ直ぐリカの顔を見ることができずに、そっぽを向いたまま。 食事中もできるだけ視界に入れないように、黙ってもくもくと食べていた。 たぶんリカの中では、取っつきにくい義弟ができたな……と思われてたんじゃないかと思う。 今思えば、もうこの時にはリカのことが好きだったんだ。
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