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「……っ…ハル…!」
急いで駆け寄って部屋の鍵を開ける。
ガチャっとドアを開けて、ハルを押し込むと
「…な…なんでいるのっ!」
「なんでって、しいに会いに来たに決まってんだろ?」
チラっと携帯を目の前にちらつかせる。
そこには、今日美憂と花火大会に行く前に撮った写メが映っていた。
「これ逆効果。しいに会いたくて堪んなかった」
ハルの腕の中に閉じ込められて、私は胸元に顔を埋める。
「……ハルが送れって言ったくせに」
ははっ。と耳元でハルの笑う声が聞こえた。しばらくお互いの存在を確かめ合う。が、いつまでも玄関に突っ立ってるわけにもいかない。
「ハル、仕事は?」
「今日は、終わり。明日は、朝早いけど」
「え、何時?」
「五時」
ばっと携帯で時間を確認すると、11時を過ぎたところ。私は急いで浴室に向かうと、お風呂のお湯を張る。
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