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「そういうことは、早く言ってよ!」 バタバタと着替えの準備と、いつでも寝られるようにとベッドを整えた。 その間に、ピピー…っとお湯張りが完了した合図が鳴る。 「ハル、お風呂入っていいよ!」 冷蔵庫を開けて、明日の朝ごはん用の食材を確認する私の腰に、スルリと腕が回る。 「しいも、一緒に入ろーぜ?」 振り向かなくったってわかる。 いつもの意地悪な笑みを浮かべているに違いない。 「……嫌」 「外、暑かったし、早くシャワー浴びたくねぇの?」 そう言いながら、既にハルの手は浴衣の帯を解いていく。 「……ちょ…ちょっと!待って!」 「待てねぇよ。早くしないと、寝る時間なくなんだろ?」 口元が綺麗な弧を描いていく。 私にはもう、逆らう術はなかった。
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