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まだ何か話している佑くんを無視して、もくもくとスプーンを口に運ぶ。
ちらりと槙さんに視線を向けると、他のお客様の接客中で、佑くん達の会話は聞こえてなさそうだ。
槙さんは今回のことを、どう思っているんだろう。仮にも、好きだと言われた相手が、他の男とデートをするのに。少しも気にならないんだろうか…。
考えたって私にはわかるはずはない。
私は余計なことを考えないよう、目の前の料理を頬張った。
ーーピリリリ……
着信を告げる音が、鞄の中で鳴り響く。
美憂との会話に夢中になっていて、鳴り続ける携帯の音に全く気が付かなかった。
……どうして、この電話を取らなかったんだろう。私は次の日の朝、後悔することになる。
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