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「とりあえずさ、今日仕事終わったら会おうよ!…いろいろ報告したいこともあるし」 そういえば、佑くんとのデートの話をまだ聞いていない。お互いに仕事が忙しくて、この電話も二週間ぶり。 「うん、いいよ。じゃあ、槙さんとこに19時にーー」 「あ、今日は違うお店にしない?」 何があっても気まずくなるのが嫌で、お店に通っていた美憂が、珍しく違うお店を押すなんて、これは祐くんと何かあったとしか思えない。 「……ていうか…うち来ない?」 「いいけど。何かご飯買っていこうか?」 「ううん、大丈夫だから。気遣わないで」 時間を決めてから、美憂との電話を切る。 テレビから聞こえる今日の占いのコーナーが、もうすぐ八時だということを告げる。 私は急いで準備を整えて、家を出た。
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