6

10/42
前へ
/456ページ
次へ
ほんの一瞬だけ、佑くんの顔が強張った気がしたのは、気のせいだろうか。 「じゃあ!行きましょう!」 佑くんに続いて映画館の中へと入る。 飲み物を買って席につくと、思ったより沢山の人で埋め尽くされていた。 「結構、人多いね」 「最近公開されたばかりですからね」 映画館の座席って、隣同士がこんなに近かったっけ。と思うくらい、いつもと違う距離感に若干だけど戸惑ってしまう。 照明が落ち、スクリーンに最新作の予告映像が流れる。その光がやけに眩しくて、思わず目を細めた。 「面白かったっすね!」 「ほんと!あそこの戦闘シーン、よくなかった?」 「あれは、文句なしでかっこ良いっす!」 映画の感想をお互いに述べながら、映画館を出ると、佑くんに連れられるままに歩くこと十分。 目の前には、定食屋さんのお店。
/456ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2076人が本棚に入れています
本棚に追加