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「お腹空きましたよね?ここの鯖味噌、旨いんすよ」
そう言ってお店の暖簾をくぐる。
「いらっしゃいませー」の店員さんの声の後に、「あら、佑ちゃん!」なんて声が聞こえる。
どうやら、佑くん馴染のお店らしい。
後ろにいる私の姿に気付いたおばちゃんが、「あら、あらまあ…!」なんて嬉しそうな顔をしている。
多分……いや、おそらく私を佑くんの彼女だと思っているに違いない。
席につくと、種類豊富なメニューに頭を悩ませた。
「ん~……悩むなぁ……」
「何でも美味しいんですけどね。俺のオススメは、唐揚げか味噌カツ、あと塩ダレ炒めっすね!」
佑くんのアドバイスとメニューを見比べて、悩みに悩んだ結果、私は味噌カツ定食、佑くんは鯖味噌定食を注文した。
「デートに、こういう店はナシかな~とも思ったんすけど、どうしても気の利いた店が思い浮かばなくって……」
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