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おしぼりで手を拭きながら、申し訳なさそうな顔を向ける。 「昔、付き合ってた彼女に言われたんすよ。女の子はみんな、お洒落なところでご飯を食べたいんだ、食堂なんて問題外だ。って」 「そんなこと…ないと思うけど……」 むしろ、私は今流行りの場所よりも、こういった場所の方が好きだったりする。 「彼女が喜ぶなら…って、俺なりに頑張ってみたんすけどね。ことごとく、私の好みじゃない。って言われて、結局一緒にいても楽しくない。ってフラレました」 ははっ。と自虐的に笑う佑くんに 「……私はこういうお店の方が好きだな」 ニッと笑ってみせる。 「ほら、私食べるの好きだからさ、がっつり食べたいわけ。何時間も並んで、パンケーキもいいけど、ぜーんぜんお腹が満たされないんだよねっ」
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