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「……え、」
佑くんは靴を脱ぎ捨てると、私の返事を待たずに、海に向かって走りだす。
「…やべっ!気持ちいい!……美憂さんも早く!!」
両手で手招きをする彼に惹かれるように、私もサンダルを脱ぐと、海へ向かって一歩ずつ足を進める。
ひんやりと冷たい波が足元をさらって、砂浜に私の足跡を残す。
時折くる大きな波に、佑くんは子供みたいにはしゃぎながら、波と戯れていた。
寄せては返す波に負けじと立ちむかう様は、見ていて思わず笑いが込みあげる。
そんな様子を眺めていた私に向かって、佑くんは叫ぶ。
「美憂さん!………俺って今、美憂さんの中でどんな存在ですか!!」
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