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「夜ご飯どうします?何か食べたい物あったらーー」 そう言いながら、お店を検索しようと携帯カバーを開くと 「あれ、槙さんから不在入ってる……」 その名前に、さらに大きく心臓が跳ねる。 「ちょっとかけ直してきますね」 携帯を耳に当てながら、少し離れた場所へ移動する。辛うじて聞き取れる話し声に、すぐに電話が繋がったんだとわかった。 「ええっ!今からっすか!?」 ひと際大きな声に、ビクっと肩が揺れる。 佑くんの様子を横目で伺うと、ガシガシと頭を掻きむしっている。 「どうにかなんないんすか?……はい、はぁ……わかりましたよ」 電話を切って、明らかに不満そうな顔でこっちに歩いてくる。 「……電話、何だった?」 「美憂さん、すいません。今から、仕事行かないといけなくなりました」
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