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「…おはよーございます」
「……おう、佑。今日は悪いな」
手は止めずに、チラっと視線だけを寄こして、仕込みを進める槙さん。
今日の予定を確認してから、冷蔵庫の扉を開ける。
「槙さん酷いっすよー!今日はデートだって言っといたじゃないっすか」
「悪いと思ってるよ。他当たったけど、捕まんなくて、どうしようもなかった」
……確かに、今日は団体の飲み会の予約が入っている。これを、槙さんと律で回すのは厳しいだろう。
「……休日手当、上乗せしてくださいよ?」
「…バーカ。それとこれは別だっつーの」
互いに黙々と手を動かす。
槙さんに比べれば、まだまだ半人前だけど、自分の作ったもので誰かが喜んでくれるなら、こんなに幸せなことはない。
この仕事が好きだからこそ、もっとその先を見てみたい。
早く、槙さんに追いつきたい。
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