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ふと、槙さんが口を開く。 「………デート、上手くいったか?」 「楽しんでくれてたと……思います」 「ふ。…何で自信なさげなんだよ」 前菜の盛り付けをしながら、少し笑みを零す槙さんの横顔を眺めていると、俺の視線に気付いた槙さんと目が合う。 「なんだよ?」 「………ひとつ、聞いてもいいっすか?」 「ん」 絡まった視線は、いつの間にか解けていて、また手元に集中している。 いつも思うけれど、ひとつひとつの盛り付けが細かくて、綺麗。 見た目は、どちらかといえばワイルドなのに、料理に関しては繊細だ。 「……どうして、教えてくれたんすか?……美憂さんが、ラブストーリーよりアクション派だって」
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