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「………そっか」
美憂から佑くんとのデート話を聞いた私は、何も気の利いたことが言えなかった。
「……正直、楽しかったんだよね。言ったことないのに、私の好みをわかってくれてた所とか、ストレートに好意をぶつけてくれる所とか………素直に嬉しかったし」
グビっとビールを流し込む。
その表情は、やっぱりどこか哀しそうに見えた。
「もし…佑くんと付き合ったら、きっと大事にしてくれるんだろうな~……なんて……」
わざと明るく振る舞う美憂に、私まで胸がギュ、と締め付けられるような気分になる。
「……槙さんのこと……好きだけど…あんな表情見たら、私の入る隙間ってあるのかな……って」
美憂がいう、あの表情の意味はよくわからないけれど、いつも恋愛には積極的で、強気な美憂が、ここまで自信をなくす何か、が私の知らないところで、あったのかもしれない。
「……佑くんとのこと、前向きに考えてみようかな……」
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