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ーーーーーハルside 「暫くは、大人しくしてて頂戴」 移動車の中、マネージャーの声だけが響く。 手にしていた雑誌を放り投げると、大きく息を吐く。 ーー安藤ハル、親密デート!お相手は、人気女優、佐久間凛 大きな見出しに、添えられている写真。 上手くツーショットに見えるよう撮られてある。 この日は、今度やるCMの打ち合わせを終えた後、互いのマネージャーを引き連れて食事に行っただけのこと。 以前、ドラマでも共演したことがあるため、会えば言葉を交わす程度の仲。 それ以上でもそれ以下でもない。 「………一日くらい、詩花に会えねぇの?」 「無理よ。暫くマスコミに付き纏われるのに、わざわざリスクを犯す必要ある?」 淡々と答えるマネージャーに、多少苛つきを覚えるも、最もな意見に言葉を飲む。 「……今回は、私も迂闊だったわ。とにかく、何に対しても気を付けて行動しなさい」 「………」 「馬鹿なことは考えないでね。一般人の彼女を巻き込んだら、どうなるかわかるでしょ。彼女を守りたいなら、今は大人しく言うことを聞いて」
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