6

37/42
前へ
/456ページ
次へ
「………わかってるよ」 詩花のためなら……。 俺は一日でも早く、この騒動が落ち着くことを願った。 だけど、俺の思いとは裏腹に、マスコミのマークが緩むことはなかった。 仕事場とマンションとの往復の生活に、プラス、マスコミ。 正直、我慢も限界だった。 「……はぁ……詩花に触れてぇ……」 騒動から二週間が立った頃。 たまたま仕事が予定より早く終わった。 まだ撮影中だと思っているマスコミは、確認出来る限り、いないように思った。 俺は一瞬の隙をついて、詩花に連絡を入れる。 至って冷静を装いながら、自分のマンションへと送り届けてもらう。
/456ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2076人が本棚に入れています
本棚に追加