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「………わかってるよ」
詩花のためなら……。
俺は一日でも早く、この騒動が落ち着くことを願った。
だけど、俺の思いとは裏腹に、マスコミのマークが緩むことはなかった。
仕事場とマンションとの往復の生活に、プラス、マスコミ。
正直、我慢も限界だった。
「……はぁ……詩花に触れてぇ……」
騒動から二週間が立った頃。
たまたま仕事が予定より早く終わった。
まだ撮影中だと思っているマスコミは、確認出来る限り、いないように思った。
俺は一瞬の隙をついて、詩花に連絡を入れる。
至って冷静を装いながら、自分のマンションへと送り届けてもらう。
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