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ーーー大丈夫。 強くなるって、決めたんだから。 電話越しに、大きな溜息が聞こえる。 「……早く詩花に触りてぇよ……」 「………そういうことばっか考えてんの?……」 「当たり前だろ。どんだけ禁欲してると思ってんだよ!」 ………そんな偉そうに言われても、呆れて返す言葉すら見つからない。 「だから、大人しくしてんの。早く詩花ん中にーーー」 「……はいはい。禁欲生活頑張ってね」 最後まで言わさずに、言葉を被せる。 仕事の時間が近付いて、ハルとの電話を名残り惜しく感じながらも切る。 テレビからは、美味しそうなご飯を求めながら、タレントさん同士が歩き回っているバラエティー番組が流れていて、私は冷めたオムライスを口に運びながら、それをぼーっと眺めていた。
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