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随分ご機嫌な美憂が、隣で鼻歌なんか奏でている。私は…というと……ハルが喜ぶ…なんて上手く乗せられて買ってしまったことを、若干後悔しつつも、何だか違う自分を発見したような気がして、少しだけ晴れやかな気持ちになっていた。
「今度会う時は、絶対着ていくんだよ!」
「……その時の気分次第だね」
「絶対!喜ぶと思うな~!」
自分のことのように喜んでくれる美憂。
昔からそうだった。
私が、ハルのことで泣くと一緒に泣いてくれて、ケンカをすれば、一緒に怒って、愚痴を聞いてくれた。
私の唯一の味方で、理解者。
私も、美憂にとって、そんな存在になれてたらいいな……
「……美憂、ありがと」
「なに?いきなり」
「ううん、言いたかっただけ」
照れ笑いを浮かべる私の腕に、美憂の腕を絡めると
「……パーッと呑みますか!」
「……だね!」
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