2076人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は、一切詩花の方は見ない。
ひたすら手を動かすのみ。
「……どう思ってるわけ?」
「………なにが」
「ほんとに何にも感じないの?」
感じない。………わけねぇっつーの。
一応、好きだ。と言われた相手が、
俺を幸せにしたい。とか言い放った相手が、仮にも好意を持ってる男と何度も会ってる状況が、面白いわけがない。
けれど、これが恋だとしたなら、詩花に感じるこの想いは何なのか。
その答えがわかんねぇのに、止める権利なんかねぇだろ。
………だけど、それは言えない。
「……俺が口出すことじゃねぇよ」
仕上げたばっかの器を、バイトに手渡す。
「………じゃあ、付き合うことになってもいいんだね?」
最初のコメントを投稿しよう!