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「あ、お兄ちゃんが一人ね」 もう完全に視線はお好み焼きへ一直線。 「へぇ、どんなお兄さんなんすか?」 「ええ……どんなって……いっつも私がすることに対して、口出してくるし、煩いし、正直、うっとおしい」 美憂さんの話を聞きながら、お好み焼きを仕上げていく。 「……会ってみたいっすね」 「えっ、普通会いたくないでしょ」 「口煩いのは、美憂さんのことが心配で、可愛いからでしょ。妹思いのいいお兄さんじゃないっすか。………それに」 コトン…と湯気が上がったお好み焼きのお皿を、目の前に置いてやる。 「気に入ってもらえたら、また一歩、彼氏の座に近付けそうな気がするんで」
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