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キョトンとしたかと思えば、照れ隠しなのか顔を背けて割り箸を手に取る。 「……馬鹿なこと言ってないで、早く食べよ!」 「ハハ、そっすね!」 楽しい時間はほんと一瞬で、いつも別れるときの寂しさに慣れない。 もっと、ずっと一緒にいたいけど、その権利は俺にはまだない。 確かな絆があれば、こんな気持ちになることもないんだろうか。 「美憂さん、コーヒーでも飲んで帰ります?」 「うん、いいよ」 美憂さんちの帰り道にある、コーヒーショップへと足を向ける。 逸れないようにと繋いだ手に、ギュ、と力が込められた。 「美憂さん?早かったっすか?」 「………佑くん……」 「はい?」 「…………付き合ってみよっか」
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