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耳元に唇を寄せて、そっと囁く。 「……詩花を抱きたい」 ほんとにハルはズルい。 いとも簡単に私を思い通りにする術をわかっている。 そして、まんまとそれにハマる私も私だ。 キスを合図に、久し振りの長い夜が始まる。 今までの時間を埋めるように、お互いの肌と肌を合わせて、これ以上ないほどに貪り尽くす。 合間、合間に囁くハルの甘い言葉が、さらに深みへと引きずり込んでいく。 触れたところが熱を帯びて、重ねるごとに自らもハルを求めた。 「……詩花、…傍にいろよ……」 「……っ……ん……」 甘い熱に浮かされて、何も考えられない。 置いていかれないように、手を伸ばしてハルにしがみついた。
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