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「詩花、何か食べたいものあるか?」 槙さんが前菜を並べながら、目線だけこちらに向ける。 私は席について、おしぼりで手を拭きながら 「チーズとアスパラの春巻き!」 「詩花は、いつもそれだな」 やっぱりな…といった顔で、手際良く目の前に料理が並べられていく。 枝豆と甘海老のバジル和え、スモークサーモンとクリームチーズの生春巻き、ササミと胡瓜のマヨマスタード和え。 いつも私達が食べている前菜が、プレートに並んでいる。 「はいはい!私は、レモン風味の唐揚げね!」 「……美憂には聞いてねーよ」 「ちょっと!?」 このまま放っておくと、槙さんと美憂のやり取りはヒートアップすること間違いない。早く喉を潤したい一心で、隣の美憂を宥めながら、冷えたビールを手に取るように促す。 「じゃあ、詩花の新たな一面にかんぱーい!」 カチンと互いにグラスを合わせる。
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