2

12/24

2073人が本棚に入れています
本棚に追加
/456ページ
「今日ショッピングに行ってきたんだけどね、普段の詩花なら絶対選ばない服を買ったの。それがね、めっちゃ可愛いんだよ~!」 「へぇ。どんなの買ったわけ?」 「オフショルのトップスとね、ロングのワンピース」 何だか気恥ずかしくて、居たたまれない気持ちになって、ついついグラスを傾けるペースが早くなる。 「今度彼氏にも見せるんだよねー」 「美憂、余計な事は言わなくていいから」 「……例の遠恋の彼?」 槙さん達には、遠距離中の彼氏がいる…ということになっている。実際、そんな頻繁に会えるわけじゃないから、強ち間違ってもいない。 「…最近はお互いに忙しくて、あんまり会えてないんだけどね」 「久し振りに会った詩花を見て、彼氏はびっくりするわけ!いつもと違うね、可愛いよ。…なんて言われちゃってさー!その日は、絶対盛り上がーー」 「美憂、もう黙って」 アルコールが入って、少しテンションが上がり始めた美憂は、何を言い出すかわからない。どんなに酔っても、絶対にハルのことはだけは他言しないけれど、これ以上、想像で話されるのも恥ずかしい。
/456ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2073人が本棚に入れています
本棚に追加