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「今日ショッピングに行ってきたんだけどね、普段の詩花なら絶対選ばない服を買ったの。それがね、めっちゃ可愛いんだよ~!」
「へぇ。どんなの買ったわけ?」
「オフショルのトップスとね、ロングのワンピース」
何だか気恥ずかしくて、居たたまれない気持ちになって、ついついグラスを傾けるペースが早くなる。
「今度彼氏にも見せるんだよねー」
「美憂、余計な事は言わなくていいから」
「……例の遠恋の彼?」
槙さん達には、遠距離中の彼氏がいる…ということになっている。実際、そんな頻繁に会えるわけじゃないから、強ち間違ってもいない。
「…最近はお互いに忙しくて、あんまり会えてないんだけどね」
「久し振りに会った詩花を見て、彼氏はびっくりするわけ!いつもと違うね、可愛いよ。…なんて言われちゃってさー!その日は、絶対盛り上がーー」
「美憂、もう黙って」
アルコールが入って、少しテンションが上がり始めた美憂は、何を言い出すかわからない。どんなに酔っても、絶対にハルのことはだけは他言しないけれど、これ以上、想像で話されるのも恥ずかしい。
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