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ーーーーどれくらい、こうしていただろうか。
行き交う人達の波が、少し穏やかに感じた頃、美憂が口を開く。
「…詩花…ごめんね。……ありがとう」
「ううん。お互い様でしょ?」
ふ。と笑いかければ、美憂も同じように笑い返してくれる。
「私ね……槙さんにフラレたの」
「はっ!?ていうか、もう告ったの!?」
突然の告白第二弾で、また私の目は点になる。大きな声をあげた私を、近くを通ったサラリーマンにジロっと睨まれて、すぐに口に手を当てた。
「好きな人が……いるんだって」
「え?」
恋愛してる暇はない。とか言いながら、好きな人はいるってどういうことなんだろう……
不思議に思っていると
「でも、私だって簡単に諦められない!………そんなすぐに忘れられるような気持ちなんかじゃないんだから……」
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