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ーーーコトコト…… ーーーートントントン…… ーーーーージュー…パチパチ…… いろんな音が、キッチンから奏でられる。 それを一人で聞きながら、世話しなく動き回るのには、もちろん理由がある。 ハルからラインがきたのは、三日前。 『明後日、早く終われそう。マンションで待ってて』 半月ぶりのデート……と呼んでいいのかわからないけれど、久し振りにハルに会える。 こういうお仕事は、なかなか時間が読めなかったりするため、スケジュールが決まっていても、急な変更だってあるし、何度かドタキャンされたことだってある。 私には、この世界のことはよくわからないけれど、私達が会う時は、必ずハルがアクションを起こす。私から、会いたい。なんて一度も言ったことがない。 ……違う。言ったことがない。んじゃなく、言えないんだ。 会いたいなんて……… ハルを困らせることは言えない。 だから会える時は、必ず手料理を作って待つ。ハルの喜ぶ顔が見たいから。 美味しい。って言う声が聞きたいから。
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