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「……あ、おかえりなさい」
「ただいま。寝てた?」
「ううん。…ちょっとテレビに見入っちゃって…」
そう言って、笑って誤魔化す。
ソファから立ち上がると、パタパタとスリッパの音を響かせながら、キッチンへ向かう。
「ご飯できてるよ。今、準備するね!」
「……しい」
後ろからギュっと抱きしめられて、手にしていたお玉を落としそうになるが、何とか寸前のところで持ちこたえた。
「会いたかった」
そう耳元で囁かれるだけで、ハルの体温に包まれるだけで、私は何も考えられなくなる。
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