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苦笑いのハルを無視して、それでもじっと見つめ続ける。ハルも諦めて、次々と箸を進めた。
「……美味しい?」
「美味い」
「ほんとっ?」
「…ぷっ。ほんとだよ」
身を乗り出す私に、笑いを堪えきれずに吹き出すハル。「必死だなー。しいは」なんて言いながらも、箸を止めることはない。私もほっとした笑みを浮かべて、やっとご飯に手をつける。
先に食べ終えたハルが、じっとこっちを見ていた。その視線に耐えられなくなった私は
「……そんなに見ないでよ」
「さっきのお返し」
ハルお得意の意地悪な笑みを浮かべながら、身を乗り出して私との距離を、じりじりと詰める。スッと手が伸びたかと思えば、顎らへんに付いていた米粒を親指でそっと取る。
「ついてる」
そのまま親指をペロっと舐める仕草が、色っぽく感じてスッと視線を逸らした。
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