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バタバタバターと、リビングへと向かいテレビに釘付けになる。 画面に映しだされるのは、昼間見たものと一緒で、黒い衣装に身を包み歌う彼らの姿。 その姿に昼間と変わらず目を奪われて、そこから離せない。僅か数十秒の出来事なのに…… 「……この曲、好きだな」 ポツリと呟いた一言に、ハルが耳元で囁く。 それは、今さっき聞いたばかりの曲。 バッと振り向いた私に、また意地悪な笑みを浮かべながら、「好きなんでしょ?」と言いたげな顔を向ける。 「………ーーっ、ずるいよ!」 「なにが?」 わかっているくせに、私の口から言わせたがるのは、いつものこと。こうやって、ハルのペースに巻き込まれていくんだ。 「……っ、もういい!」 さっき途中だったアイスを取りに行こうと、キッチンへと足を向ける。……はずだった。 気が付けばソファに背を預けて、顔を上げれば、相変わらず綺麗なハルの顔があった。 「……目の前にいるのに、テレビばっか見てるからだろ?」
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