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心配そうにしている義母さんが、もう一度受話器を耳に当ててみるけど、リカがでることはなかった。
「風呂にでも、いってるんじゃないのか?」
「でも朝から何度も掛けてるのに、折り返しの電話一つないのよ?」
頭に過るのは、考えたくないことばかり。
俺はゆっくりとソファから立ち上がると、父さんと義母さんに向かって声をかけた。
「……俺、アパート見てくるわ」
そう言って玄関へと向かう俺を追いかけるように、父さんと義母さんがやってくる。
「奏くん、私達も一緒に行くわ!」
「俺一人でいいよ。義姉さんから連絡あるかもしれないから、義母さんは家にいて」
「奏」
「父さんは義母さんについててやってよ」
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