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「…ちょ、ハル……」
両手はハルの手によって塞がれていて、身動きが取れない。じっと私を射抜くその瞳から、思わず目線を外す。
「……俺だけ見て」
また目線を合わせるように、ぐいっと顎を持って上を向かせる。恥ずかしさに、徐々に顔に熱が集まってくるような気がした。
「……ハルっ……離して…」
「ダメ」
片手で私の両手を器用に頭の上で纏め上げる。
もう片方の手が、私の鎖骨をそっと撫でると、ビクっと身体が揺れる。
「……コレ、俺のため?」
人差し指で引っ掛けるようにして、オフショルのトップスを下にずらす。
この間買った服を、今日着てくるかは最後まで迷ったけれど、いつもと違う自分を見せたくて、思い切って着てみた。
ハルのその瞳には、何もかもを見透かしたような色が宿っている。
「さっきから可愛すぎて、ヤバいんだけど」
チュ。と首筋にひとつキスを落とす。
それが少しずつ下に向かって降りていく。
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