3

9/28

2073人が本棚に入れています
本棚に追加
/456ページ
「…ちょ、ハル……」 両手はハルの手によって塞がれていて、身動きが取れない。じっと私を射抜くその瞳から、思わず目線を外す。 「……俺だけ見て」 また目線を合わせるように、ぐいっと顎を持って上を向かせる。恥ずかしさに、徐々に顔に熱が集まってくるような気がした。 「……ハルっ……離して…」 「ダメ」 片手で私の両手を器用に頭の上で纏め上げる。 もう片方の手が、私の鎖骨をそっと撫でると、ビクっと身体が揺れる。 「……コレ、俺のため?」 人差し指で引っ掛けるようにして、オフショルのトップスを下にずらす。 この間買った服を、今日着てくるかは最後まで迷ったけれど、いつもと違う自分を見せたくて、思い切って着てみた。 ハルのその瞳には、何もかもを見透かしたような色が宿っている。 「さっきから可愛すぎて、ヤバいんだけど」 チュ。と首筋にひとつキスを落とす。 それが少しずつ下に向かって降りていく。
/456ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2073人が本棚に入れています
本棚に追加