2073人が本棚に入れています
本棚に追加
/456ページ
『また、連絡する』
私はメモをそっとテーブルに戻すと、その隣に置いてある朝食に手を伸ばす。
いや、どちらかといえば、早目の昼食かもしれない。
私の好きなオムレツにサラダ。「ヨーグルトは冷蔵庫。」のメモ通りに扉を開けると、いつも好んで食べているヨーグルトがあった。
それを片手にリビングに戻ってテレビをつける。
タイミングがいいのか悪いのか、ちょうどエンタメコーナーでLINKの話題を取り上げていた。
それをぼーっと眺めながら、昨日の出来事を思い出す。あんなに近くに感じていたのに、今はすごく遠くに感じる。
手を伸ばせば届くのに、どんどん欲にまみれていく。
「……ハル……会いたいよ……」
会ったばかりなのに、これ以上ないほどの温かいぬくもりに包まれたのに、もう欲しくなる。
ハルの前じゃ平気なフリをして、本音はずっと傍にいたいなんて……。一体、私はいつから欲張りになったんだろう。
「また……って、いつかな……」
静かな部屋に、テレビの音声と私の声だけが虚しく響く。
強くならなきゃダメだ。
寂しいなんていっちゃダメだ。
ハルを困らせちゃダメだ。
自分に暗示をかけるかのように、ぐるぐると頭の中に巡らせた。
最初のコメントを投稿しよう!