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寝室に向かって、眠る詩花の隣に座る。 その反動で、ベッドのスプリングがギシ。っと軋んで軽く沈む。 随分無理をさせたせいか、起きる気配はない。 サラっと髪をひと掬いして、おでこにチュ。っとキスを落とす。 「…詩花、寂しい思いばかりさせて、ごめん」 出来る事なら、閉じ込めて離したくない。 一分一秒でも多く、詩花を感じていたい。 詩花だって本音は寂しいと思っている筈だろうに、そんな素振りなど一切見せずに、いつも笑顔でいてくれる詩花に俺は甘えてしまっているんだ。 名残惜しくも時間は止まってくれない。 俺は、寝室を後にしてメモを残すと、そっと部屋を後にした。 気の利いたこと、ひとつも残してやれない俺を、詩花はどう思っているだろう。 エレベーターで下に向かい、指定された場所には、すでに一台の車が停まっていた。 近付いて、車に乗り込む。 「見られてないでしょうね?」 「ここは、セキュリティ万全なんじゃねぇの?」 「暫く忙しくなるから、時間はとれないわよ」 「俺の意見なんか、最初から聞く気なんかねぇだろ」
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