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これ以上、話したくなくて俺は腕を組んで目を閉じる。
けして、この仕事が嫌いなわけじゃない。
やり甲斐は感じているし、応援してくれているファンのみんなに応えたいとも思う。
自分が置かれている立場は、充分すぎるくらい分かっているはずなのに、詩花の存在は、自分の中でとてつもなく大きい。
もしも失うことがあるとしたならば、俺はどうなるのだろう。
想像だけで、こんなにも怖くなる。
「………ねえ、近々社長と話がしたいんだけど」
俺はひとつの覚悟を決めて、歩き出す。
けして楽ではない茨の道を。
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