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「もしもし?詩花?……今、大丈夫?」
ハルから電話があったのは、あの日から二週間後のこと。
仕事が忙しいのか、時間がすれ違ってばかりで、ハルの声を聞くのも久し振りだ。
ベッドで横になりながら、ペラペラと雑誌を捲っていた私は、飛び起きて何故か正座をする。
「大丈夫だよ!どうしたの?仕事中じゃないの?」
ラインのやり取りはしていても、やっぱり声が聞けるのはすごく嬉しい。
「今、空き時間。しいに話さなきゃいけないことがあって。……悪い、暫く仕事が忙しくて…会う時間が取れそうにねぇ」
「え?……あ、そっか……」
「明日、テレビでも報道されると思うけど、主演映画が決まってて、来月からクランクインするんだよ」
「……えっ!?映画!?すごいじゃん!おめでとう、ハル!」
会えないことの寂しさは、もちろんあるけれど、こうしてハルが活躍してくれることは素直に嬉しい。
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