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チュ…と首筋にひとつ。
「ちょ…ハル…」
「我慢できるくらいの気持ちなわけ?」
チュ、チュ…と下に向かっていく唇に、ハルの手は私のパーカーのチャックをおろしていく。
「…ちが…っ」
「……俺だけか?毎日会いたいと思ってんの」
真っ直ぐに見下された瞳に、映る私の姿。
その目が少し哀しみを含んでいる気がしたのは、私の勘違いではないはず。
「………私だって、我慢出来るわけないじゃない」
決して視線を逸らすことなく、ただハルを見つめ続ける。
「会いたいなんて…言えるわけないよ。私の我儘で、ハルに無理させたくないの。いつも忙しいから、身体だって心配なんだよ……」
「……しい」
「それに………」
これは一番私が恐れていること。
絶対にあってはならないこと。
「私のせいで、もし………バレたら……。…ハルの邪魔にだけは、なりたくないの」
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