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ハルが私から視線を逸らす。
ゆっくりと私をベッドから起こすと、キュっと腕の中に閉じ込める。
「……しいが、一人で抱え込む必要ねぇよ。……俺はそんなに頼りないか?」
「そういうことじゃ…!」
「無理くらいするよ。詩花が大事だから」
そっと腕を解くと、その手は私の髪を撫でて頬へと移る。
「会いたいなら会いたいって言えよ。……昔みたいに、本音で話せよ。それくらい受け止められる」
デビューが決まるまでは、お互いに言い合って、ぶつかることも多くあった。けれど、それでお互いの思いに気付くこともできた。
デビューしてからは、徐々にそれが減っていて……。今ではそれはしてはいけないモノだと思っていた。
「……言ったら……ハルは困るよ……」
「うん」
「……呆れるかもしれない」
「うん」
今まで、蓋をしていた想いが溢れそうになった。
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