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抱き締めていた手を緩める。 再びお互いの視線が絡まって、ハルの顔にはいつもと違う、柔らかい笑みが浮かんでいた。 「いつもそうやって素直に言えばいいんだよ」 ハルの温かさが、止まりかけていた涙腺を再び刺激する。 「……だって…っ」 「まあ……俺も悪いよな。しいに甘えて、強がらせてばっかで……ごめんな」 ふるふると頭を横に振る。 ハルの手が私の背中を優しく撫でる。 「仕事は……大事だよ。応援してくれるファンがいる限り、応えたいし、大切にしていきたい。だけど、それと同じくらい……詩花のことも大事なんだよ」 コツン…とおでこがぶつかる。 「毎日電話するよ。詩花が会いたい時には、会いに来る」 「でも……約束が……」
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