2072人が本棚に入れています
本棚に追加
/456ページ
ーーー***
「……しい?」
スヤスヤ寝ていたハルを起こさないよう、そっとベッドを抜け出したつもりだったのに、後ろを振り向けば、上半身を起こして欠伸をしている姿。
「ごめん、起こした?」
「こっち来いよ」
私の言葉なんか、全く聞いてもいない。
水の入ったコップを片手に、再びベッドに近付く。
ギシッと音を鳴らして、ベッドの端に座ると、ハルの腕に後ろから包まれる。
「俺にも、水ちょうだい?」
「はい」
半分ほど残っている水の入ったコップを、ハルに手渡すけれど、一向に受け取る気配はない。
「ハル?」
「しい が飲まして?」
最初のコメントを投稿しよう!