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俺の指差す方へと二人して視線を移す。 美憂のプレートに置かれている、柚子のシャーベットが溶けかけていた。 「やば!」 すぐさま、デザートへと意識を集中させる美憂に、心の中でホッと溜息をつく。 解放された腕に何だか名残りを感じながらも、気にも止めずに仕事へと戻る。 「美憂さんと店長って……デキてんすか?」 「は?」 背後から佑に話しかけられて、内心では動揺しつつも顔には出さない。 「仲いいんで」 「佑も変わらないだろ」 手元を動かしながら、あえて質問の答えは避けた。何でそうしたのかは、自分でもわからない。はっきり違うと言ってやりゃいいのに。 「俺とは違うんすよね」 「………」
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