2073人が本棚に入れています
本棚に追加
俺の指差す方へと二人して視線を移す。
美憂のプレートに置かれている、柚子のシャーベットが溶けかけていた。
「やば!」
すぐさま、デザートへと意識を集中させる美憂に、心の中でホッと溜息をつく。
解放された腕に何だか名残りを感じながらも、気にも止めずに仕事へと戻る。
「美憂さんと店長って……デキてんすか?」
「は?」
背後から佑に話しかけられて、内心では動揺しつつも顔には出さない。
「仲いいんで」
「佑も変わらないだろ」
手元を動かしながら、あえて質問の答えは避けた。何でそうしたのかは、自分でもわからない。はっきり違うと言ってやりゃいいのに。
「俺とは違うんすよね」
「………」
最初のコメントを投稿しよう!