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よりによってこのタイミングで言うか…。というくらい、瞬時に佑の表情が固まる。
俺は小さく息を吐くと
「無理。店あるし」
美憂の方へ顔も向けずに言い放つ。
今、美憂がどんな顔をしているかなんて、大体想像はつく。
すると、隣にいた佑がとんでもないことを言い出した。
「じゃ…じゃあ!皆で見ましょうよ!」
「は?」
「ほら、花火大会の日は、殆どお客様も来ないじゃないっすか!臨時休業にして、いや、ちょっと早めに店閉めるんでもいいっすから!ね、店長いいっすよね?」
「美憂さんと花火、見たいんっす!」……なんて、心の声が聞こえてきそうだ。縋る目で見つめる佑に、俺はダメだとは言えなかった。
「………今年だけだぞ」
「てんちょおーーー!」
ガシッと横から佑に抱きつかれても、全く嬉しくねぇ。
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