4

16/27
前へ
/456ページ
次へ
その異様な光景に、電話から戻ってきた詩花が変な目を向ける。 「……何してんの?」 ーーーーー*** 「花火大会かー」 私が席を外した後の一部始終を聞き終えて、保留にしておいたデザートを口に運ぶ。 「詩花はどうする?」 ハルとは行けないし、かといって一人で見るのも虚しい気もする。 「んー、一緒にいこっかな!」 「じゃあ一緒に浴衣着ようよ!」 キャッキャしながら会話に花を咲かす。 それを一緒になってキャッキャしている佑くんに、白けた目を向ける。 「いいっすね、浴衣!楽しみだな~!」 「……佑くんに見せるために着るんじゃないから」 スパっと言ってのける美憂は、さすがというべきか…。また佑くんも、そんなことではへこたれない……というか、一緒に花火に行ける事実に浮かれていて、言葉の意味を深く考えていなさそうだ。 「詩花さんは、彼氏さんと行かないんすか?」
/456ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2073人が本棚に入れています
本棚に追加