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ハルは、私の弱いところを全部知っている。
私の好きな、この甘い声で囁やけば、私が逆らえないことを。
水を口に含んで、ハルの唇に流し込む。
口の端から、溢れた水が流れてシーツを濡らす。
「……おかわり」
言われるがままに、その行為を繰り返す。
喉の乾きなど、とっくに満たされているはずなのに、ハルはやめない。
「…っ、ハル…もう水ないから…」
空っぽになったコップを目の前にチラつかせる。
「…そ。…じゃあ、しい で潤して」
言いながら、その口は、私の唇を塞いでいた。
隙間から漏れる声に、月明かりに照らされる影に、滴り落ちる汗は、どちらのものかわからないくらいに、私達は混ざり合った。
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