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あまりにも直さんが、真剣な表情で謝るもんだから、私は思わずクスっと笑ってしまった。 「全然大丈夫ですよ。気にしないで下さい!」 お茶碗にご飯をよそって、「はい、どうぞ」と直さんに手渡す。それを受け取りながら、少し困ったような顔で 「ハルの方は、そう思ってないみたいだけど」 テーブルの方へ目をやると、変わらずに侑輝さんとやり合っている。さっきから、ずっと不機嫌なまま。あそこまで素直に反応されると、こっちの方が恥ずかしくなってくる。 「ハルは、詩花ちゃんにベタ惚れだからな」 「………」 そんな事……と、言おうかと思ったが、ハルのあの態度を見ていると、下手に否定する方が嘘みたいに聞こえてしまう気がして、何も言葉に出来なかった。
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