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「………メンバーの皆さんからしたら、私の存在は……邪魔ですよね……」
思わず零れた言葉。
今、波に乗っているからこそ、アイドルのスキャンダルは命取り。
本当は、良く思われていないことくらい、わかっているつもりだ。
だけど、直さんの口から零れた言葉は、意外なものだった。
「え、なんで?俺も、彼女いるよ?」
「ええっ!?」
いきなり大きな声を出したものだから、みんなの視線が一斉にこっちを向いた。
「俺は同じ業界人だけどね。今、付き合って半年くらい」
びっくりしすぎて、言葉がでてこない。
パクパクと口を動かしていると、直さんがクスっと笑みを零す。
「俺達も人間だからね。恋愛くらいするよ」
「……そう…なんです…ね」
「まあ、今が大事な時なのはわかってるし、事務所には煩く言われるけどさ、好きになったものは、どうしようもないよね」
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